2015年1月31日土曜日

◆フッ化ナトリウム(NaF)ってどんな物質ですか?

フッ化ナトリウム水溶液は、むし歯予防の目的でフッ素洗口に使われています。
また水道水フロリデーション(フッ素化)で用いるフッ化物の代表的なものでもあります。

GHS(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)による分類

  GHSとは化学品の危険性(危険有害性)に関する国際的な危険有害性分類基準と表示方に関するシステムです。

  GHSでは、化学品一般の危険性:経口急性毒性について次のように分類しています。

 ◇経口急性毒性の分類

動物の半数致死量をもとにして以下のように分類しています。
(LD50: 半数致死量のこと。 動物の体重1kg当りの投与重量で表す。
区分
LD50
表示内容
絵柄
毒物劇物取締法分類
 ≦5mg(5mg以下) 
経口で生命に危険  
ドクロ
毒物
 ≦50mg  
経口で生命に危険 
ドクロ
毒物
 ≦300mg   
経口で危険 
ドクロ
劇物
≦2000mg   
経口で有害、警告 
感嘆符
普通物
 ≦5000mg
経口で有害の恐れ 
なし
普通物


◆フッ化ナトリウムの性質
(森田化学工業(株)発行 MSDS「製品安全データシート」より) (※はコメントです)

◇LD50(半数致死量)は ラットで 経口 180mg/kgです。
(※ 体重10kgの幼児にあてはめると、1.8gが致死量になります。)

◇ 急性毒性は、上の表の GHS 分類 3にあたります。 

  (※フッ化水素酸(HF)の場合は 、モルモット 80mg/kgで  GHS区分3です。つまり大変危険と言われているフッ化水素酸と同等な危険性があります。)

◇危険有害性情報
○飲み込むと有毒     
○重篤な皮膚の薬傷、眼の損傷
○遺伝性疾患のおそれの疑い
○生殖能または胎児への悪影響のおそれの疑い 
○臓器(神経系、肝臓、心臓、腎臓)の障害
○長期又は反復ばく露による臓器(骨、歯、呼吸器、腎臓、神経系)の障害
○長期又は反復ばく露による臓器(心臓、骨、歯)の障害の恐れ
 
  適用法令は
法令
フッ化ナトリウムの扱い
水質汚濁防止法
人の健康にかかわる被害を生ずる恐れがある物質
水道法
規制物質
下水道法施工例
規制物質
航空法
毒物
船舶安全法
危険物 毒物
貿易管理令
規制物質
動物劇物取締法
非該当(医薬品、医薬部外品の場合、規定されない)

※体重10kgの幼児の致死量は 0.11g、0.4g、1.7gなどの諸説があります。
     

◆フッ化ナトリウム 年間 11トン


ニホンスイセン 市内(高久)で

   もしも水道水フロリデーション(フッ素添加)が実施された場合、フッ化ナトリウムは年間でどのくらい添加されるのでしょうか。
 
 平成26年12月1日吉川市水道事業発行の 「水道だより第19号」によると、平成25年度の吉川市の給水人口は69,077人、年間総配水量は7,255,142㎥です。

 吉川市の水質検査によると、水道水にもともと含まれているフッ素の濃度は約0.1ppmです。ここにフッ素を添加してフッ素濃度を0.8ppmに引き上げるとすると、加えるフッ素の量は、年間で5,078.6㎏です。フッ素は単体では存在しにくいので、実際に加えるのはフッ化物です。一般にはフッ化ナトリウムを用います。フッ素の分子量が19.00、ナトリウムの分子量が22.99なので、5,078.6㎏のフッ素は、フッ化ナトリウムに換算すると11,222.38㎏になります。つまり年間約11.2トンのフッ化ナトリウムを水道水に添加することになります。
 水道水のうち、飲料や調理に使われるのは、1%以下で、残りの99%以上は下水に流れます。
したがって、年間約11.1トンのフッ化ナトリウムが吉川市から下水に排出されることになります。