2013年10月30日水曜日

◆1分で読める 「WHOは言っている」

コスモス 市内で

「水道水フロリデーションはWHOが推奨している。」「安全性は確立されている。」 と推進する方たちは言います。一方、WHOは次のことも言っています。

WHOテクニカル・レポート・シリーズ846 (1994年) より

(以下は要約です。詳しくは「WHOは言っている・・・ その1,その2」をお読みください。)

 50年も前から、飲料水中の最も適正なフッ化物の濃度は1.0mg/l (ppm)とされてきた。
 しかし、これらの基準が世界のすべての地域で適正だとは言えなくなってきた。幾つかのアジア地区では、ガイドラインに準じた基準でも歯のフッ素症の発現と程度が過度に高いところがある。

② 香港は、1961年に水道水のフッ化物添加を始めて以来数回にわたって飲料水のフッ化物濃度を調整し、暑い季節と涼しい季節の濃度を 変えたりして年間を通した適正な濃度を見出す努力をしてきた。アメリカ合衆国公衆衛生局のガイドラインによれば、香港の至適濃度は約0.8mg/l (ppm) となっている。しかしながら、子どもたちの歯のフッ素症は、いまだに無視できないほど高いレベルにある。このため、1988年には濃度をいくつかの段階を決めて0.5mg/l (ppm) まで落とした。

 水道水フッ化物添加を導入する際は、地域におけるむし歯のレベルが高いか中程度かまたはむし歯の増加傾向が明らかであることが、必要条件である。

④ どんなところに住んでいる人でも、フッ化物配合歯磨剤の使用に加えて食品や飲料から著しい量のフッ化物を、ほとんど知らないうちに摂取している。
歯のフッ素症の潜在的な増加を防ぐために公衆衛生の管理者は、むし歯予防のフッ化物応用を導入する前に住民のあらゆるフッ化物摂取の状況を知っておくべきである。

2013年10月29日火曜日

◆WHOは言っている テクニカルレポート846 その2

コスモス 市内で

前回(10月26日)につづきWHOについてです。

吉川市健康増進課や推進派の学者は、水道水フロリデーションについて「WHOが推奨している」「権威のある機関がいっているのだから」と繰り返し言っています。

しかし、1994年に発表されたWHOテクニカルレポート846を読むと、いろいろな注意事項や制限が盛り込まれており、健康増進課や推進派の学者から受けるWHO像とは異なる印象を受けます。

私たちは、WHOがどうあれ、水道水フロリデーションに反対ですが、

WHOが本当にどんなことを言っているのか知ることも意味があると思うので、以下気になったことを報告します。 10月26日の分と合わせてお読みください。

なお、引用は日本語訳「フッ化物と口腔保健-WHOのフッ化物応用と口腔保健に関する新しい見解-」 (日本語監修:高江州 義矩 訳:眞木吉信他 一世出版)(*注) を用いています。

 ◆ 第7章 飲料水中のフッ化物
 7.4 飲料水中の適正なフッ化物レベル
 (少し長いですが 引用します。)
 50年も前からのDeanの研究によって、飲料水中の最も適正なフッ化物の濃度は1.0mg/l (ppm)とされている。 彼のいう“最適 most appropriate” とは、歯のフッ素症の発現を受容できる最低限度に抑え、かつ最大のう蝕減少が可能な濃度を意味したものである。
しかし、暑い気候の人々は、普通の気候の人々に比べて多量の水を飲むため、この1.0mg/l (ppm) という値は0.7-1.2mg/l (ppm) と幅を持たせたものに改善された。つまり、平均気温の高い地域では、飲料水中のフッ化物レベルはより低いレベルが推奨される。アメリカ合衆国の公衆衛生局は、1962年にこの濃度幅を飲料水中のフッ化物濃度の基準として採用し、それ以降現在でも広く使われている。

 しかしながら、1990年代までに、これらの基準が世界のすべての地域で適正だとは言えなくなってきたのである。アメリカ合衆国でさえ、エアー・コンディショニングの出現や加工された食品とソフトドリンクの消費の増加、さらにはほかの由来源からのフッ化物の増加がみられ、これまで基準としてきた前提を過去のものとしてしまった。
世界の他の地域でも、特にアフリカとアジアの熱帯と亜熱帯地域では、多くの異なる人種と文化によって食習慣が変化に富んでいるため、推奨されている濃度幅はおそらく適正とはいえないだろう。幾つかのアジア地区では、確かにガイドラインに準じた基準でも歯のフッ素症の発現と程度が過度に高いところがある。
たとえば香港は、1961年に水道水のフッ化物添加を始めて以来数回にわたって飲料水のフッ化物濃度を調整し、暑い季節と涼しい季節の濃度を変えたりして年間を通した適正な濃度を見出す努力をしてきた。アメリカ合衆国公衆衛生局のガイドラインによれば、香港の至適濃度は約0.8mg/l (ppm) となっている。しかしながら、子どもたちの歯のフッ素症は、いまだに無視できないほど高いレベルにある。このため、1988年には濃度をいくつかの段階を決めて0.5mg/l (ppm) まで落とした。

 1962年に定められたアメリカ合衆国公衆衛生局のガイドラインのリストに載っている年間気温に基づく飲料水中の推奨されるフッ化物濃度のレベルは、世界の熱帯および亜熱帯で使用するには好ましいものではない。なぜならば、それらの地域での応用は、期待された歯のフッ素症のレベルよりも高かったからであり、これらの地域にとっては推奨された濃度が高すぎたことを意味していると思われる。したがって、寒い気候の地域でも1.0mg/l (ppm)の濃度が上限であり、そして、いま香港で使用されたりメキシコ湾にのぞむアメリカの諸州で推奨されている0.5mg/l (ppm) が適正な下限濃度であると推測される。

(この章の終わりに「訳注」があります。その一部を抜粋します。)
訳注:(一部抜粋)
(香港に関しては)中国系住民の食習慣として、常用食に骨入りのスープを飲用しているので骨中フッ化物の摂取量が過剰なフッ化物摂取の一因になることも考えられるということである。あり得ることと考えられる一面もある。

以上引用しました。
飲料水中の適正なフッ化物濃度」を見出すため(まだ見出されていなかった?!)、実例と照らしながら数値を補正して努力している様子がうかがえました。
香港のことも参考になりました。

 ◆ 第13章 フッ化物の多重暴露

以下引用します。


飲料水にフッ化物が添加されている地域ではフッ化物配合歯磨剤で歯みがきをしているし、どんなところに住んでいる人でも、フッ化物配合歯磨剤の使用に加えて食品や飲料から著しい量のフッ化物を、ほとんど知らないうちに摂取している。
いくつものソース(源)からのフッ化物の暴露は、有益な場合もまた望ましくない場合もある。フッ化物がう蝕の予防に働く幾つかの手段としては十分有効であるが、歯のフッ素症の潜在的な増加もまた考慮されなければならない。
(中略)
公衆衛生の管理者は、う蝕予防のフッ化物プログラムを導入する前に住民のあらゆるフッ化物暴露の状況を知っておくべきである。

引用は以上です。

安全性のうえで大切なのは、一人一人のフッ化物の総摂取量であるとWHOはいっています。
日本人の食文化として、緑茶を日常的に飲むことや、魚を多く食べることがあります。これらは、フッ素を比較的多く含む食品です。個人についてみれば、水のかわりにもっぱらお茶を飲む人もいれば、まったく飲まない人もいるでしょう。千葉県の海沿いではイワシをたくさん食べることが知られています。「住民のフッ化物暴露(摂取)の状況」は一様でなく一人一人異なります。
健康増進課や推進派の学者はこの点をどう考えているのでしょう。

適正なフッ化物濃度」を見出すことができるのでしょうか。香港のように、やってみないとわからない、ということにならないでしょうか?


以上WHOテクニカルレポート846についてみてきました。

(*注)この翻訳には誤訳が多いという指摘があり、薬害オンブズパースンが原文とともに、誤訳の訂正を発表していますので紹介します。

WHO(世界保健機関)テクニカル・レポート・シリーズ 846
「フッ化物と口腔保健」の日本語翻訳版の誤訳問題    (インターネットで検索できます。)
 
今回こちらも参考のため読みました。
(私たちが引用に用いた部分は、大きな誤訳問題に抵れる個所ではなかったので、おおむね正しく翻訳されているようです。)
   


2013年10月26日土曜日

◆WHOは言っている テクニカルレポート846 その1


コスモス 市内で

WHO(世界保健機関)は1969年に総会で水道水フッ素化の決議を行い、1975年に水道水フッ素化推進を再勧告、1978年に再再度水道水フッ素化を各国政府に勧告しています。

そして、1994年テクニカルレポート846「フッ化物と口腔保健」を発表しています。
この日本語訳「フッ化物と口腔保健-WHOのフッ化物応用と口腔保健に関する新しい見解-」 (日本語監修:高江州 義矩 訳:眞木吉信他 一世出版) を読んでみました。

気になる点がいくつかあったので報告します。皆さまのご参考になれば、と思います。

◆ 第7章 飲料水中のフッ化物
 7.7(水道水フッ化物添加の)導入の必要条件 
  この項の筆頭に
 ・ 地域におけるう蝕(むし歯)のレベルが高いか中程度かまたはう蝕の増加傾向が明らかであること。

とあります。現在の日本(吉川市)はこれに該当するのでしょうか?
 平成23年度、吉川市の中学1年生のむし歯有病者率(治療済みも含む)は29.9%、一人平均むし歯本数(治療済みも含む)は0.56本です。

もしも必要条件を満たしていない場合は、実施にふさわしくないということになります。 (つまり、歯フッ素症のリスクを侵してまで実施しても効果はあまり期待できない、ということになるのでは?)


第14章 推奨 
第14章は最終章です。ここは15項目の箇条書きになっています。その7番目に
7.地域の水道水フッ化物添加は安全で費用便益性が高く、社会的に合意が得られ実行可能なところでは導入されそして継続されるべきである。
飲料水中の至適フッ化物液度(濃度)は一般的に0.5~1.0mg/l (ppm)の範囲内であろう。
 とあります。
※至適フッ化物濃度とは、「歯のフッ素症の発現を受容できる最低限度に抑え、かつ最大のう蝕(むし歯)減少が可能な濃度のこと」だそうです。

※第14章に先立って、第7章の7.4に、 これまで1.0ppmが適正なフッ化物濃度とされてきたが、これらの基準が世界のすべての地域で適正だとは言えなくなってきた。いくつかのアジア地域では、ガイドラインに準じた基準でも、歯のフッ素症の発現が過度に高いところがある。0.5ppmが適切な下限濃度であろうと思われる。(以上要約)という内容があります。

私たちは、フッ化物濃度の数値にかかわらず、水道水フッ化物添加そのものに反対ですが、

WHOが 0.5~1.0mg/l (ppm)の範囲内と発表しているのを知って意外に思いました。
健康増進課や推進派の学者(小林清吾元教授など)が「1ppm程度の濃度が理想的」とたびたび言っているので、WHOもそう言っているのだろうと思いこんでいました。
ところが、WHOは以前はそう言っていましたが、このテクニカルレポートでは、歯フッ素症の発症を危惧して 0.5~1.0mg/l (ppm)の範囲内と言い直しているのです。

そうなると、健康増進課の言う「吉川市で実施する場合は濃度0.8ppm」という数値の整合性が問題になってきます。
この0.8ppmの根拠は「水道法の水質基準だから」とのことですが、この水質基準は水道水中のフッ化物を除去するための基準値です。これを超えてはならないという値であり、少なければ少ないほどよいという発想が基本にあります。濃度0.5~1.0mg/l (ppm)の範囲内で0.5でも0.6でも0.7でもなく、「濃度が0.8ppmになるよう添加する」 ということの根拠としては、かなり荒っぽいものだと思います。

日本の歯フッ素症のことが知りたくて、「地域性 歯牙フッ素症」(近藤 武著 (財)口腔保健協会発行)を読んでみました。
兵庫県宝塚市や、青森県北津軽、長野県麻績村等、天然の状態で地下水などのフッ素濃度が高い地域の調査をふまえて、歯フッ素症について論じた本です。
それによれば、日本において、歯フッ素症が発生する飲料水中フッ素濃度の境界域は0.4~0.5ppmとなっていました。

気になった点はまだあるのですが、今回は以上2点を報告します。






2013年10月23日水曜日

◆講演会のご案内 ポール・コネット博士来日

・・・吉川市の水道水にフッ素を入れないで・・・

11月24日(日) 吉川市中央公民館
 午前の部・・・記念講演   10時~12時
 午後の部・・・講演と報告  13時~15時
 参加費無料



午前の部・・・ 記念講演 (*字幕あり) 10時~12時
「水道水のフッ素化に反対する科学的根拠」   


講師 : ポール コネット博士
  ニューヨーク・セントローレンス大学前教授(化学) ,FAN(反フッ素ネットワーク)代表
ポール・コネット博士


プロフィール 
 環境問題、特にダイオキシン問題で著名。
全米各州をはじめ、世界40か国以上で講演。
日本でも市民団体や自治体の招きを受け、たびたび来日し講演を行っている。
 世界各国のフッ素研究者、環境化学者、市民運動家を結集して、FAN(反フッ素ネットワーク)を結成し水道水フロリデーション廃止の活動をつづけている。



午後の部・・・講演と報告 
●13:00~13:40 フッ素洗口液に対する化学物質過敏症/
             アレルギーの男性―症例  加藤 純二氏(医師)

●13:40~14:10 歯のフッ素症(斑状歯)  近藤 武氏(歯科医師)

●14:10~14:40   吉川市のフッ素化問題についての報告
              子どもの歯と健康を考える会

●14:00~15:00 秋田市弁護士会の
          集団フッ素洗口に関する意見書
              佐々木 クミ氏(集団フッ素洗口を考える県民連絡会事務局)


この講演会は日本フッ素研究会と共催で開催します。

*日本フッ素研究会: フッ素化の問題や、正しいむし歯予防のあり方を研究する、医師・歯科医師・研究者を中心とした学術団体です。 





   
 




2013年10月14日月曜日

◆資料のページを更新しました

資料のページで、
◆資料2 平成25年1月「吉川市フッ化物応用協議会報告書」

がリンクできない状態になっていてご不便をおかけしました。
本日更新しました。

2013年10月9日水曜日

◆10月,11月の予定


◆10月の学習交流会はお休みします。


◆11月17日(日) 吉川市民まつり 
  10時から おあしす・永田公園(よしかわ富士)

◆11月24日 (日) 講演会  (ポール・コネット博士 来日予定)
   10時から 中央公民館 
    

2013年10月8日火曜日

◆9月の学習交流会の報告です

9月21日、学習交流会を行いました。

最初に会の代表から、署名活動の報告ありました。

8月22日の署名第1次提出(7557名)がテレビや新聞に報道されたので、より多くの市民の方に吉川市の現状を知っていただく機会となったこと、吉川市以外にお住まいの方からも、支援のメール等いただいたことなどの報告がありました。
新聞記事の市長のコメント を見ると、市はこれまでの姿勢を変えるつもりはなさそうです。
フロリデーション推進中止が実現するまで、運動を続けていくこと、引き続き署名活動を行うこと、市長懇談を再度申し込むことなどの報告がありました。


ミニ学習会はポール・コネット博士の講演録「化学者としてフッ素化に反対する」(2001年日本にて)を読みました。
ポール・コネット博士は、ダイオキシンの問題等で有名ですが、水道水フロリデーションに反対する活動も精力的に行っています。

講演録から一部引用します。

 推進派が信じていることのひとつに、フッ素は骨の密度を高めるということがあります。骨粗鬆症で骨密度の低くなった患者にフッ素を投与するという治療手段があります。実際彼らは更年期の女性に1日当たり25~75mgフッ素を投与して腰部骨折を減らそうとしたのですが、残念なことに骨折はかえって増加してしましました。フッ素は骨を硬くはするのですが、同時にモロくしてしまう事も分かったのです。


 科学的な立場からフッ素を考えた場合、高濃度のフッ素が有毒であることは、スプーン一杯のフッ化ナトリウムで大人が死ぬということ、カルシウムの代謝を障害するということ、酵素毒性があるということなどには疑問の余地がありません。これらはいずれも、研究で簡単に確かめられることです。
 水道水フロリデーションの初期、つまり1950年代に水道水フロリデーションに反対した人たちの多くは生化学者たちでした。 なぜなら彼らは、実験で酵素の作用を阻害させるためにフッ素を使っていたからなのです。ですから、14人ものノーベル賞受賞学者が、水道水フロリデーションに反対しているのです。
 


講演録の最後のまとめの部分を紹介します。

①フッ素が歯に良いということは、誇張された説でしかありません。むし歯予防効果は、あるとしても局所的なもので、全身的なものではありません。

②水道水フロリデーションによる歯牙フッ素症(斑状歯)は最初の見積もりの3倍 も多く発生しています。

③フッ素は骨に蓄積し骨肉腫、関節炎、腰部骨折を引き起こします。

④脳の松果体に蓄積し障害(早熟化)を与えます。

⑤甲状腺機能を低下(更年期障害を増加)させます。

⑥Gタンパクと結びついて、環境ホルモンとして働きます。

⑦米国の水道水フロリデーションに使われているフッ素ケイ酸は工場の廃液であり、安全性の研究がなされたことは一度もありません。

⑧水道水フロリデーションは、「医者は患者に害をあたえてはいけない。」、「十分な説明の結果、同意を得るという、インフォームド・コンセント」などの医療倫理の原則に反します。

⑨水道水フロリデーションは、常識の問題、科学の問題、倫理的判断の問題、予防原則の問題、大衆討論の問題などの重要な問題を脅威にさらしてきました。

⑩水道水フロリデーションを推進している学者たちは、この5年ほど前から、私との討論を避けるようになってきました。ある論説の如きは、「論争することで水道水フロリデーションの反対論に、あたかも科学的根拠があるかのような幻想を大衆にあたえる」ので、論争をするなとまで言っております。
⑪私の考えは、一言でいえば「危険は避けよ。疑わしき物は使うな」ということであります。これが、毒性環境化学物質に対処する人間の知恵なのであり、現在確立しつつある「予防原則」という言葉の真意なのであります。 






◆9月19日駅頭署名を行いました

9月19日夕刻、吉川駅頭で署名活動を行いました。第1次署名提出(8月22日)の報告のチラシも配りました。
いつもよりたくさんの方が署名集めとチラシまきに参加してくれました。
いつもは、余りがちなチラシも、足りなくなるくらいでした。

20代の若い人がチラシを配ってくれたので、終わってから「どうでした?」と聞いたら、
「『もう署名しました。』と向こうから声をかけてくれる方が何人もいて、嬉しかったです。3人で並んで配ったのでけっこう楽しかったですよ。」とのこと 。
それはよかったです。また、手伝いにきてくださいね。

ご協力いただいた市民の皆さま、ありがとうございました。

◆7月 学習交流会フリートーク編 魚つかみ取り大会

7月21日、学習交流会を行いました。
前半はミニ学習会,後半はフリートークでした。

フリートークの中で7月20日の魚つかみ取り大会(吉川市コミュニティー協議会主催)のことが話題になりました。
当日は天気もよく、家族連れでにぎわい盛り上がりました。
コミュニティー協議会のみなさんが、かいがいしくいろいろお世話してくださいました。

そのなかでひとつ、気がかりなことがありました。

魚つかみ取り大会には給水所が設けられ麦茶が提供されていましたが、その麦茶はフロリデーション水で作られていました。

「フッ素利用をすすめる女性の会」の会員さんと健康増進課の職員さんで配っていました。
「給水所」の看板がなければ、吉川市のイベントでときどき見かける「フロリデーション水の試飲会」とあまり変わらないので、いつもの試飲会をやっている、と思った方もいるようです。

試飲会ならともかく、給水所は吉川市のふつうの水を使わなくてはまずいんじゃないでしょうか?
フロリデーション水を飲みたくない人は給水所を利用できません。

「来年は改善してもらいたいね。」と参加者で話し合いました。

2013年10月7日月曜日

◆7月の学習交流会の報告 推進派のチラシを読む

7月21日、学習交流会を行いました。

前半はミニ学習会、後半はフリートークを行いました。

ミニ学習会
 吉川市フロリデーション推進協議会発行のチラシ
「正しい理解で守れるみんなの健康 水道水フロリデーション」 を読む
チラシ 表

チラシ 裏


7月11日に健康増進課との懇談会がありました。
 http://kodomonohatokenkou.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html

「私たちの意見を『誤った情報』と言われていますが、私たちの情報の間違えているところを具体的に教えてください。」という質問をしました。その回答として、
「このチラシをお読みください。」と配られたのが上のチラシです。
(健康増進課長は吉川市フロリデーション推進協議会の顧問を務められています。)

このチラシを読み検討しました。

◆水道水フロリデーションでフッ素の取り過ぎの危険性?ありません  についての検討

チラシに「水道水フロリデーションでは、一生涯飲用してもフッ化物の取り過ぎにならないよう、水道法で認められた基準0.8ppm以下で濃度調整されていますから、健康に良い影響しか与えません。」と書いてあります。
 
①河川の水には地質由来のフッ素が微量に含まれているため、河川を源水とする水道水にもフッ素がわずかに含まれています。
吉川市の水道水のフッ素濃度は約0.1ppmです。これは日本の水道水の平均的な値とほぼ同じです。(※1ppmは百万分の1のことです。1ppmの濃度は1mg/リットルに相当します。)
水道水フロリデーションが実施されると、水道水にフッ化物が添加されフッ素濃度が0.8ppmに引き上げられるので、水道水から摂取するフッ素の量は通常の約8倍になります。

②  1970年代初めに兵庫県宝塚市で高濃度のフッ素が含まれた水道水(取水源の地下水や河川が原因)を給水してしまい、住民に斑状歯(歯フッ素症)の被害 が出ました。このときの最終報告は
0.4~0.5ppmで50%以上の斑状歯が発生している事実を重視し、「宝塚市における給水中の暫定管理基準フッ素濃度は.0.4~0.5ppmを上限とする。」としています。そして現在も毎月市の広報誌で水道水のフッ素濃度を公表しています。
これらを考えると、フッ化物を人為的に添加して0.8ppmまで引き上げるということは避けた方がよいと思います。

水道法における水質基準は、有害物質を除去する基準であって、添加する基準ではありません。有害物質は少なければ少ないほどよい、というのが水道法の発想です。この基準値をフッ素添加の安全性の根拠にするのは筋違いです。


◆水道水フロリデーションを中止した国がいくつもある? 新たな開始の方が多い についての検討

①フロリデーションの中止・開始の動きは国単位ではなく、自治体単位で見るべきでしょう。
また、フロリデーションの安全性が、中止した国(自治体)と開始した国(自治体)の数の多さで決まるわけでもありません。
中止した国(自治体)の理由に注目することが、安全を考える上で参考になると思います。

②中国広州市では1965年から水道水をフッ素化しましたが、1976年の調査でむし歯は63.9%から、27,5%に減りましたが、斑状歯が1.1%から47.2%に増えました。
1983年「害多く益少なし」という理由で水道水フッ素化が中止になりました。


◆吉川市は水道水フロリデーションの実験台? 健康づくりに役立ちます についての検討
チラシに「WHOを始め世界の150を超える医学・保健の専門機関が推奨し、既に効果と安全性が確立している方法ですから、吉川市民の健康づくりに役立つだけです。」と書いてあります。

WHOが総会で水道水フッ素化推進を決議したのは1969年です。

 1994年WHOのテクニカルレポート846「フッ化物と口腔保健」では、フッ素の過剰摂取についての懸念、フッ素洗口について6歳未満は禁忌など16項目を勧告しています。

WHOが、フッ素応用について、全面的推奨から制限付き推奨へと変わりつつある、その変化の方向に目を向けるとが大切ではないでしょうか。


◆日本では米軍基地以外フロリデーションをしていない? 誤りです についての検討


チラシに 「自然の状態で、むし歯予防に適正なフッ化物濃度の水源を利用している水道水が日本でも数か所あります。」と書いてあります。

私たちが問題にしているのは、人為的に水道水にフッ化物を添加することです。これは、現在、国内では米軍基地以外に行われていません。

②上のチラシにある、国内の数か所の地域の様子を知りたいです。詳しく教えてください。





◆水道水フロリデーションは環境汚染に繋がる? なりません  
についての検討

チラシに 「フッ化物濃度は土壌で280ppm、海水で1.3ppmなので0.8ppmのフロリデーション水が接した部分は薄まるだけです。」と書いてあります。

①海や土壌に雨がふったり、河川の水が海に流れ込んだり、このような自然の水循環の結果、フッ化物の濃度の平均が土壌で280ppmであり、海水で1.3ppmということです。ここに人為的にフッ化物を添加すれば、フッ化物濃度は高まります。
吉川市でフロリデーションを実施した場合、フッ化ナトリウムだと年間約11トン必要です。

海全体の平均濃度ではなく、フロリデーション水が河川に排水される流域や、河川が海へ注ぎ込む地点などの環境への影響を慎重に調べる必要があると思います。


② チラシに「自然界におけるフッ化物は輪廻しており、その総量は変わりません。」 と書いてあります。
 フッ化物は化合物なので、化学反応によって総量は変わりますが、フッ素は元素なので総量は変わりません。(放射性同位元素などの例外はあるものの、フッ素に限らず各元素の総量は、それぞれ一定です。 
この元素一般の基本的性質を述べても、環境汚染に繋がる?なりませんの説明にはなりません。何を示したいのか不明です。

フッ素がどういう状態でどこにあり、どんなふるまいをするか、調べることが大切だと思います。


◆赤ちゃんや子どもは大丈夫? 心配ありません
についての検討

2006年11月のアメリカ歯科医師会会報に「幼児が、水でといた粉ミルクを摂取することにより、過剰量のフッ化物に暴露される可能 性を指摘する研究がある」そして「もし粉ミルクをとくのなら、保護者はフッ化物の入っていない、あるいは低濃度の水の利用を考えるべきである」と記されています。
粉ミルクを溶かすのに適さない水道水は、年上の子どもにとってもよいはずはありません。日本の水道水は世界に誇れる品質です。もっと大切にしたいものです。



◆水道水フロリデーションは選べない?選べます 
についての検討

「フロリデーションされていない現在も水道水を利用するか否かを選べるように、フロリデーションされても利用するか否かを選べます。と書いてあります。
飲みたくない人は飲まなければよい、と言っているようです。健康増進課との懇談会でこの文章の意味をたずねると、「それは、誤解です。」との回答でした。確かに行政が水道水の公共性について理解していないはずはないので、「飲みたくない人は飲まなければよい。」と言うとは考えにくいことです。この文章はいったいどんな意味でしょうか。

「公共水道を通して歯や骨の健康が守りやすくなる生活環境にするか否かを地域のみんなで考えて選べます。」と書いてあります。
これは住民投票を行うということでしょうか。


◆水道水フロリデーションの必要性が極めて低い? 必要性は極めて高いです についての検討


①平成23年度学校保健統計調査では、12歳児の平均むし歯本数は、埼玉県で0.90本です。吉川市では0.56本です。これは、治療済みの歯も含めた本数です。
私たち親世代が子供だったころと比較にならないほどむし歯は減っています。

2000年にイギリスのヨーク大学で、水道水フロリデーションの安全性について、世界中から論文を集めて、再検討した研究報告書によれば、水道水フロリデーションによって子供のむし歯発症率は14.6%減るけれど、斑状歯は48%増えると報告されています。

水道水フロリデーションによってむし歯の発生がゼロになるわけではなく、約14,6%減少します。14.6%の減少のために水道水にフッ化物を添加しますか?

③フッ素はほとんどの歯磨き粉に含まれています。必要ならば、歯科医院で、フッ素塗布等の処置を受けることもできます。
フッ素を使いたい人も使いたくない人も、それぞれが納得できる常識的な方法がいくつもあるのに、なぜ公共の水にフッ化物を添加するという強制的な方法に力をいれるのでしょう。