2015年2月9日月曜日

◆公開質問状回答 戸張胤茂氏(現市長)


1 水道水フロリデーションについてどのようにお考えですか。
【回答】
 WHOをはじめとする世界の関係機関、日本歯科医学会、日本歯科医師会、日本口腔衛生学会などの専門団体が推奨し、水道事業者、水道利用者、地元歯科医師会等の理解を前提に厚生労働省も技術支援を表明している水道水フロリデーションは、生活水準の違いや年齢、障害の有無等に関係なく公平に、安価で、かつ安全に虫歯予防ができる手法であると認識しています。

2 水道水にフッ素を入れると選択の余地がなくなりますが、この点についてどうお考えですか。
【回答】
 水道水フロリデーションの実施には、多くの市民の皆様に正しいご理解をいただいた上で幅広く合意を形成する必要があると考えています。
 一方で、現状は、水道水フロリデーションに対する十分なご理解には至っていないのが実態であり、何よりも医学、歯学、化学など科学技術的な観点からの正確な情報の提供が必要であると考えています。
 多くの皆様に正しいご理解をいただくためには、市長の任期(4年)を超えるような期間が必要になると思います。合意の形成についてはその先の話になりますので、現段階で、選択権に関する私の考えを表明することは意味がないと考えます。

3 WHOはテクニカルレポート846(1994年)で、フロリデーション導入の必要条件として「地域における虫歯のレベルが高いか、中程度か、または虫歯の増加傾向が明らかであること」とありますが、吉川市はこの条件にあてはまりますか。
【回答】

 WHOテクニカルレポート846(1994年)の、フロリデーションの必要条件の一つに、「地域におけるむし歯のレベルが高いか中程度かまたはむし歯の増加傾向が明らかであること」が提示されておりますが、この「むし歯のレベル」の「高い」、「中程度」の基準が定義されておりません。また、この他にも必要条件が記載されていますので、この部分だけを見て吉川市にあてはまるか判断することは適当でないと考えます。

4 化学物質管理促進法(PRTR法)では、フロリデーションで使用する一般的な物質であるフッ化ナトリウムが、有害指定物質になっていますが、これについてどうお考えですか。
【回答】

 PRTR法は、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的とし、化学物質を大量に取り扱う事業者を対象とした制度であり、また、含有量が一定割合以下の製品については、対象となっておりません。
 このような点を考慮しますと、PRTR制度とフロリデーションを関連付けて考える必要はないものと考えます。

5 現在、吉川市はフロリデーションの啓発活動を行っています。今後も啓発活動を継続しますか。その理由もお答えください。
【回答】
 当市では、市民の皆さんの健康づくりを進めるためには、むし歯予防に効果のあるフッ化物応用を進めております。 

吉川市の第5次総合振興計画では、「生涯を通じた健康づくりの推進」の中で歯科保健の推進を図るために「むし歯予防に有効なフッ化物利用の推進」を位置づけております。 
国におきましても、「歯科口腔保健の推進に関する法律」が平成23年8月10日に施行し、平成24年7月23日には法律第12条第1項の規定に基づき、歯科口腔保健の推進に関する基本的事項が定められ、ライフステージごとの計画にフッ化物の応用がそれぞれ位置づけられております。
 フッ化物応用のひとつである、水道水フロリデーションにつきましては、WHOをはじめ、世界の医学、歯学などの関係機関が推奨し、現在、世界で実施されている各種のフッ化物応用の中で公衆衛生的に優れた方法で安全性や有効性についても科学的に実証されており、日本においても、日本歯科医学会などの専門団体が推奨し、厚生労働省も水道事業者・水道利用者・地元歯科医師会等の理解を前提に技術支援を表明していることから、水道水フロリデーションは、市民の公衆衛生を向上させる有効な手段であると考えておりますので、引き続き市民の方へ正しい情報提供を行ってまいります。

6 フロリデーションを吉川市で実施しますか。その理由もお答えください。
【回答】
 水道水フロリデーションの実施には、多くの市民の皆様に正しいご理解をいただいた上で幅広く合意を形成する必要であると考えています。
 一方で、現状は、水道水フロリデーションに対する十分なご理解には至っていないのが実態であり、何よりも医学、歯学、化学など科学技術的な観点からの正確な情報の提供が必要であると考えています。
  したがいまして、現時点では、フロリデーションの実施について判断すべき段階にはないと考えています。

7 子どもの歯と健康を考える会では市長懇談を数回申し入れましたが、今まで一度も実現していません。今後、市民との懇談の窓口を広げ、私たち市民と話す機会を作っていただけますか。
【回答】
 平成27年2月22日に予定されている市長選挙を念頭に置いた公開質問状に対する回答の中で、特定の団体との懇談の可否について言及することは差し控えたいと思います。



※PRTR法とは
人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質が、どこからどれだけ排出されているかを知るとともに、化学物質の排出量や化学物質による環境リスクを減らすための制度のひとつです。
対象となる事業者は、民間の企業だけでなく、国や地方公共団体などの廃棄物処理施設や、下水処理施設なども含まれます。「PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック」(環境省発行)より





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